July 2018 @ GILA RIVER ARENA, Phoenix, AZ –
ジェームスイハ復帰後のツアー初日を観に、灼熱のアリゾナ州フェニックスくんだりまでやって来ました。
会場のアリーナの周辺は、本当にこれからイベントがあるの?というぐらい静まり返っています。
しばらくしてアリーナ入り口を見つけました。どうもメインゲートではないようで、入場の列が細いです。
場内の物販には長い列ができていました。
もちろん物欲のない自分は素通り。
席はバスケートコートのアリーナ前方、ジェームズイハ寄りです。w)
すでに前座は終わっていてお客さんは入っているように見えますが、
全体に暗幕がかけられている2階席は最初からチケットを販売していません。他の席の売れ行きがよければ解放されるはずなので、要はチケットがあまり売れなかったということですね・・。
ジェームズイハ復帰!そしてその初日!といっても、それ以外は新曲やアルバムが売れたわけでもないしパンプキンズのツアー自体もほぼ毎年のようにあるしで、お客さんからするといつものパンプキンズがまたライブしに来た、という印象なんだと思います。リピーター頼みだとやっぱり集客はきつくなってきますよね。
開演時間が近づくと暗幕に光が当たり、
客電が落ちると、中央スクリーンにメロンコリーアルバムのジャケットをモチーフとしたアニメーションが流れ始め、
「サイアミーズ・ドリーム」アルバムジャケットの女性2人がパンプキンズロゴに着火すると大歓声。
そしてビリーコーガンがアコギを抱えて登場。
同アルバム収録の「Disarm」を弾き語ります。
(ちなみにこの曲の邦題が「武装解除」だということを検索して初めて知りました。)
そしてまるでビリーの子分達かのように、彼に続いて出てきましたバンドメンバー!
ドラムのジミーチェンバレンに続きギターのジェームズイハが最後に現れると当然大歓声です。ボクもめっちゃアガります。
で「Rocket」のイントロで涙腺崩壊。ビリー、ジミー、ジェームズのオリジナルメンバー3人が並ぶと過去の記憶が思いっきりフラッシュバック。2000年の解散前と変わらないシルエット。
解散&再結成以降、ソロや関連プロジェクトを含めるとビリーコーガンの姿を何度拝んだのかわかりませんが、これが自分の見たかったパンプキンズトライアングルなんだよなーと実感。
続く「Siva」も猛烈にかっこいい。ジミーチェンバレンの序盤のハイライト。
小休止があったのち、「0」のロゴ入りロンTを着たビリーのイントロから「Zero」「Zero」「Zero」! ジェームズのソロが猛烈にかっこいい。
「Standing Inside Your Love」「Everlasting Gaze」の連打はまさに2000年ラストツアーを思い出させる選曲。
この18年間の空白がなかったかのようにさえ聞こえます。まるでフェアウェルツアーがそのまま続いている感じ。
その当時よりも今はツアーメンバーが増えました。
まずはキーボードのケイティーコール。
前回2016年のアコースティックツアーにも帯同しました。猛烈にかわいいです。
ベースは英国人のジャックベイツ。地味です。猛烈に地味です。ピーターフックの息子なのに地味です。「なんで男のお前がベースやねん。ダーシーかせめてメリッサを出せ!」という圧力にもめげずがんばっています。というか圧力に屈したから地味になったのか?
その横にビリー&ジミー除く他のどのメンバーよりも在籍期間が長くなったギターのジェフシュローダー。
驚きだったレッドツェッペリンのカバー「天国への階段」ではジミーペイジのギターソロをベタに完全コピーします。とあるビデオインタビューによると敢えて完コピしてみたのだとか。
ドラムのジミーチェンバレンもボンゾのフレーズをほぼそのまま叩いていました。
バンマスのビリーコーガンはキーボードを弾いたり、ハンドマイクで歌ってみたり、
「To Sheila」「Ava Adore」とか、八王子の専門学校駐車場でのゲリラライブを思い出しますね。
このライブで恐らく一番ぐっと来たのが、向かい合ったジェームズがアルペジオを、ビリーがリードを、それぞれとって始まった「Mayonaise」ではないでしょうか。
ドラマチックな構成とエモーショナルなボーカルに場内も「とらーいとぅーあんだーすてん!」の大合唱です。
その後も「Tonight Tonight」「Cherub Rock」「1979」「Today」といった有名/ヒット曲が次々と連打されていきます。
話は前後しますが、途中までもっとも口数が多かったのはジェームズイハでした。
「ハイ。元気っすか?しかしアリゾナってなんでこんなに暑いんだボケ。」的なMCをかました後、
ア・パーフェクト・サークルのライブと同様にメンバー紹介もリードします。
ドラムのジミーの名前をコールしたのち、「ギター、オレ、ジェームスイハ。」と小声でつぶやき大歓声を浴びます。誰が主役なのかよくわかってますね。
けど自分のソロアルバムからまた「Blew Away」をやったのはマジで2000年のデジャブでした。なんでまたこの曲を選んだ?!
とはいえ、そのジェームズから「ウィリアム・パトリック・コーガン」とフルネームで呼ばれたこの人がやっぱり主役中の主役です。
自己顕示が強すぎるように見えるほど、自分の子供時代の写真や現在の姿をモチーフにしたアートがこれでもかとスクリーンに映し出します。
ちなみに背後のスクリーンはあくまでも演出用であって、メンバーがプレイしている姿はまったく移りません。だからスタンドの後ろの席の人はステージ上の様子が分からなくてちょっとストレスがたまったんじゃないかなー。
爆音の「Bullet with the Butterfly Wing」ののち、こんなに素晴らしい曲だったのかと再認識させられた「Muzzle」。
アンコールではジミーチェンバレンがドラムセットを降り、スティックの代わりにウクレレを持ってリズムを引っ張ります。
アンコールを新曲とカバー曲で締めるあたり、なんかビリーのちょっとひねくれた側面を最後に見た気がしました。
3時間を超える長丁場となった、ジェームズイハ・ツアー復帰一発目のライブ。彼抜きのライブは何度もみましたが、やっぱりジェームズがいるといないとでは視覚的に全然違う! 直前までア・パーフェクト・サークルのツアーで忙しくしていたので、まったく心配していなかった技術的な部分も、予想以上に仕上がっていてびっくりしました。
ショー自体は、映像とともにかっちり構成されていたので、セットリストは今後あまり変わらないような気がします。
(20:15-23:20)