BUILT TO SPILL

October 2019 @ SHOWBOX, Seattle, WA –

これぞアメリカでしか観られないバンドの総本山であり、USインディーロックの総大将、ビルト・トゥ・スピル。20年以上の活動の中でもちろん一度たりとも来日したことはありません。

ボクも詳しいとは言えず、単にアメリカでしか見られないグループであり、様々なバンドが影響を公言しているがゆえに取ったこのバンドのチケット。

会場はシアトルダウンタウンのど真ん中、Showbox (at the market)。2日連続公演の初日です。21時開演で前座が2つあるということで、Built to Spill の出番は相当遅くなるなぁと思ったり。

前座2つ目の Slam Dunk というカナダから来たバンドのショー後半からこの夜はスタート。

かなりアホでベタなガレージパンクを鳴らしてくれました。個人的にはかなり好きです。

その後、バンドメンバーが幕間のセットアップを行い、ステージ袖に下がることなくだらだらとスタートした Built to Spill のショー。w) なるほどこれがインディーなノリで20年以上やってきたバンドのスタイルなのかぁ。

Built to Spill といえばこの人に尽きます。ダグ・マーシュ。ボーカル&ギター。

この人さえ見て聞いておけば間違いなく、他の人はまぁ飾りと言ってもいいでしょう。ナイン・インチ・ネイルズのトレント・レズナー、コーネリアスの小山田圭吾的な存在。でもダグ一人のソロプロジェクトではないので若干意味合いは違うかも。とにかくバンドメンバーを固定しないのがこのバンドの特徴。それを意図してやっているのがこのダグ・マーシュ。Guided by Voices のボーカル=ロバート・ボラードに近い存在かもしれないです。

ただ、見た目はトレント・レズナーと程遠く、

しらが。

はげ。

ひげ。

仏頂面。

ステージアクションゼロ。

こりゃ日本じゃ無理かも。

ヴィジュアル的な華がゼロ。というかむしろマイナスに作用。

バンドメンバーも、敢えてなのかもしれませんが地味ですねー。

でも満員のおっちゃんおばちゃんオーディエンス相手に、ツインギターアンサンブルに美メロを乗せて歌って酔わせます。ボクの年代のオーディエンスはこの手のスタンディングライブだと質が悪く、盛り上がっている奴が隣にいれば煙たがるし、前方へ無理やり押し入ろうとして喧嘩になるし、人にぶつかっても謝らないし、おっさんおばちゃんなので横幅は無駄に広くて場所はとるし、踊りは変だし、というか踊れないし、そのくせ羽目外してラリって迷惑だし、ヨメに連れてこられたダンナはせわしないドリンク運び屋と化しうざいしで、いいとこ全くなしです。前日のケロ・ケロ・ボニトの若いお客さんのはつらつとして健康的なフロアの雰囲気からすると絶望的な気持ちになります。ついでに言うと、ひげを生やしたお客さんが異常に多いです。

しかしそんな白人オーディエンスに絶大な人気を誇るのが隣県アイダホ州を拠点とする Built to Spill。

正直言ってしまうと、ボクはライブよりもレコードの方がいいなぁと思いました。みんなで楽しむよりも、部屋に籠って一人で楽しむ方がよりしっくり来る印象を持ちました。

なので日本のフェスなんかに無理やり出しても最後には超コアなお客さんしか残らないんじゃないかと思って心配です。でもダグは飛行機が嫌いなそうなので、初来日が実現することはなさそうです。

ダグがイヤーモニターを外してライブは終了。気が付いた時には日付が変わっていました。

(23:03-24:35)