November 2019 @ NEPTUNE THEATRE, Seattle, WA –
コーチェラ含む再々結成ライブ日程を発表したばかりのレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのギタリスト、トム・モレロが「Atlas Underground」というソロアルバムを引っ提げてシアトルに来てくれましたよ。
実はちょうど一年前にもシアトルでソロライブがあったのですが、あいにくチケットが取れず、個人期にはこれがそのリベンジとなります。会場はワシントン大学のキャンパスにほど近いキャパ約1,000人のNeptune Theatre。もちろん今回もソールドアウトです。
フロアに滑り込んだのは前座の Bones が始まったころ。おそらく同名バンドがいるのでしょうか。イギリス・ロンドン出身ということで Bones “UK” という名でアメリカのメディアに出ているようです。
ヘビーなグルーブを売りにしたトリオグループは、最初男性に見えた女性ドラマーと、六弦ギターなのにベースを抱えているように見えた小柄な女性ボーカルを含むガールズバンド。うち正式メンバーはフロントのギター2人だけっぽいですね。ベースレスのジョンスぺ構成で、テレキャスターでセンスのいいフレーズを弾きまくるショートカットの女性が超かっこいいです。
音もキャッチーで日本でフェスに出したら人気が出そうなバンドだなぁ。
Bones の30分強のセットが終わって、トム・モレロをフロア真ん中で迎えます。
ライトが消えてから暫くポリティカルなメッセージを含んだ映像が流れた後、周りに後ろを振り返っている人が多いなぁと思ったら、2階席最前列にトム・モレロが立っていました。
マジですか。そこでギターを弾きますか!
驚きのオープニングに続いてステージ横でスタンバるトム・モレロは、ポリティカルな映像の続きが終わるのを律儀に待っています。
そしてステージ中央に登場。
ソロアルバム「Atlas Underground」からの曲を弾きまくります。
お馴染みのドロップDのテレキャスターにスイッチして変態ギターをかまします。
背後に大きなスクリーンがある他は、両サイドにバックミュージシャンがいるだけのシンプルなステージ。
ゲストが歌ったボーカル部分はテープが使用されています。バックはオケで歌のみ生、というパフォーマンスはよくテレビで見ますが、逆にバックは生で歌がオケというのは初めて見たかも。w)
途中でオーディオスレイブの「Like a Stone」のイントロが始まり、笑みを浮かべたトム・モレロのバックで故クリス・コーネルのボーカルが流れるといったシーンがありました。そうだよな、クリス・コーネルはシアトルだよな。15年ぐらい前に出張でシアトルに来た時に観たロラパルーザのステージでクリス・コーネルの姿を拝み、翌年の Zepp Tokyo での来日公演で観たのが個人的には最後となりました。
余談ですが、「Like a Stone」の直前にメドレー形式で流れた「Cochise」は、レイジ時代にトム・モレロがサイド・プロジェクトとして立ち上げた Weatherman というバンドの曲が元ネタになっていて、その共同作業者でボーカルだったのが現在シアトル在住でシカゴハードコアパンク界の重鎮でもあるヴィック・ボンディという人。ヴィックはボクの会社の元同僚でして、共通の知り合いがいるというだけでレイジに近づいた気になっている自分がいます。恥)
そのレイジが再結成ライブを行った2007年のコーチェラで、満員のテント内で歌っていたのがトム・モレロこと Nightwatchman。溢れる観客の中に自分もいましたが、そのとき以来のアコースティック弾き語りセットですー。歌は上手になっていませんが、アルペジオな響きがたまらなかったです。
エレキに戻ってブルース・スプリングスティーンのカバー「The Ghost of Tom Joad」。ソロ部分を歯で弾いたかと思えば、その時に見せたギターボディー裏の手書きメッセージに泣きましたー。
「CORNELL FOREVER」
クリス・コーネルよ永遠に・・・。
マイクをフロアに向けて、この夜、唯一のレイジオリジナルナンバーとなった「Killing In The Name」。
子供を含むお客さんをステージに上げて、ボーカルなし、正確にはお客さんみんながボーカルを取るという「Killing In The Name」。
フロアがぐちゃぐちゃになる中、自分も踏ん張ってラストの「Power to the People」を歌いまくりました。
いやー、トム・モレロのギターをめっちゃ近くで観れて最高でしたし、レイジが1曲だけというのも潔い!
(21:09-22:32)