February 2020 @ NEPTUNE THEATRE, Seattle, WA –
お目当てのベン・クウェラーは前座扱いで、出演者の2番目にリストされています。午後8時開演なので9時ぐらいに着けばショーを頭から見られるだろうと思ったらすでに会場周りに誰もいない。
これはよくないサインです。
つまりメインのアクトのショーがもう始まっているということです。
フロアへと繋がるドアを開けると・・・ステージにいるのはベン・クウェラーじゃない。
状況を確認するために前方に歩いていくとあることに気が付きました。
この公演が全席指定だってことに。
今さっきバーコードをスキャンしてもらったスマホに目を落とすと、確かに自分のチケットにも何げに座席番号が書いてあります。Neptune Theatre ではスタンディングのライブしか観たことがなかったので、座席指定の公演は想定していませんでした。
一旦、状況と脳内を整理するためロビーに退出します。場内から歌声が漏れ聞こえてきます。
- ステージと客の状況からするにメインのジョシュア・ラディンのライブは始まった模様。
- ってことはベン・クウェラーのライブはすでに終わった可能性が高い。
- ライブが始まってから指定された座席でメインで観るつもりのなかったアクトのライブを観たいか?
オレも忙しい身だしなぁ・・。3分前に来たばっかりなのにもう帰っちゃおうか・・・。
と迷っていると、MCに引き続いてベン・クウェラーの歌声が聞こえてきました。
あれ??
状況がさらによくわからないまま、サイドにフロアに降り、係員に位置を聞いて着席します。
そっか、オレは前から4番目というナイスな席を確保していたのか。w) まったく覚えてませんでした。
ステージを見上げると、前座1ー> 前座2ー>メイン、の順に登場すると思っていウィリアム・フィッツシモンズ(Wiliam FItszsimmons)、ベン・クウェラー、ジョシュア・ラディンの3人全員が、アコースティックギターを抱えてスツールに座っています。
メインアクトのジョシュア・ラディンが前座の2人を招いて特別なセットを組んでいるのか? それともベン・クウェラーが彼のアンコールに2人を招いたのか?
よくわからないまま状況を見ていると、人数分セットされたマイクに向かって、どうやらこの3人が交代交代で持ち歌を歌っている模様。
ちなみにボクは全く知らなかったのですが、ジョシュア・ラディンとウィリアム・フィッツシモンズは、ベン・クウェラー同様にそれなりのキャリアを積んだアメリカのシンガーソングライター。
この日はバンドスタイルではなく、あくまでもアコギの弾き語りスタイルです。曲間に長いアドリブトークがあり、お酒のグラスが乗っている各人のサイドテーブルにお代わりをスタッフが持ってきてくれるなど、話に飽き始めたころにおもむろに曲が始まります。
向かって左に座っているウィリアム・フィッツシモンズはガットギターのフィンガーピッキングが中心で、ワイルドな見た目とは裏腹な繊細でナイーブな歌声。ギターもこの中で一番うまいかもしれない。でもMCで個人的な離婚ネタをずっと引っ張り続けたのはいかがなものかと。w)
ウィキペディア等によるとジョシュア・ラディンの楽曲は映画やドラマの主題歌/挿入歌としてよく使われているそう。おそらく個人的にはそれすら聞いたことがないような気がします。話し方がちょっとだけプレスリーやジョニー・キャッシュに似ていると思いました。
そしてジョシュア・ラディンの右隣に座るベン・クウェラー。この3人の中では一番若いのかな。それでも38歳。去年ライブハウスの Barboza で観てから1年も経っていないわけで、その時のバンドスタイルでハードロッキンなサウンドとは打って変わったアコギ弾き語りスタイル。面白いことに普段ピアノで弾き語る「Falling」「Thirteen」なんかもアコギでプレイします。これってどっかで見たなぁーと思ったらその昔々、原宿のアストロホールでアコギ一本の弾き語りスタイルでやったライブとまったく同じ。
他に「Lizzy」と「Penny On The Train Track」しか聞けなくて残念。全体的にしっとりしたムードの中、ひとりハードロッキンなギターカッティングで場を暖めてくれました。
(途中入場したので場の雰囲気をつかみ損ねたのと、セキュリティがすごく目を光らせていたこと、そして誰もスマホを掲げてなかったので、ライブ中は一枚も写真を取りませんでした。撮影禁止だったのかどうかはわからないけど。)