August 2021 @ WHITE RIVER AMPHITHEATER, Auburn, WA –
もともと昨年の夏にスケジュールされていましたが、コロナによる公演延期で1年待たされましたクリスとリッチのロビンソン兄弟が率いる再結成ブラック・クロウズ。
個人的には相当久しぶりのクロウズです。たぶん00年代後半にアメリカ出張ついでにポートランドで見て以来だと思います。野外でとても気持ちよかったんですが、車で往復5時間は睡魔との戦いでした。ジャムバンド然としていて初期の定番曲は全く演奏されなかったせいか内容をあまり覚えていません。
今回チケットを予約したのもなにせ1年半以上前なので自分の席なんて覚えてません。
チケットマスターで確認ついでに埋まり具合をみたので予想はしていたんですがやっぱり空席が目立ちますね。前座終了後、メインアクトの登場を待つばかりなのに屋根の付いた座席エリアは2割ぐらいの入りでしょうか。後方の芝生エリアには数えられるほどの人しかいません。ちょっと会場が大きすぎたかもしれませんね。
ジュークボックスが光り、BGMとしてShake Your Money Makerが流れ、ゼマティス製オープンチューニングスライドギターを持ったリッチ・ロビンソンが「Twice as Hard」のイントロを弾き出してショーは始まりました。リッチ寄りの前の方の席を取れたので姿も音もくっきりと確認できます。クリスは何故か右手にカラフルな傘を持っています。
知らなかったんですけどコロナでツアー日程が延びた間にメンバーチェンジがあったんですね。ベースが元メンバーのスヴェン・パイピーンになってました。正式メンバーは2人だけだと思っていたので嬉しいサプライズてす。
とは言えクロウズといえばやっぱりロビンソン兄弟。クリスはソロのBrotherfoodで何度か見てるんですけど、リッチはMagpie Saluteのライブに行くチャンスがなかったので、半端なくラウドでオーバードライブなギターはもはや初めて聴くといってもいいぐらいに強烈です。
大音量のディストーションギターを生で聞く機会をコロナは奪っていた訳ですが、とても新鮮な耳障りでかつ溜まった垢が落ちていくような清々しさを感じるのはコロナのお陰でもありますね。バリバリに割れているスピーカー音すら心地いい。
クロウズのファーストアルバムを中心に演奏するツアーなのであんまり期待してなかったんですけど、「Wiser Time」 や 「No Speak No Slave」、「She Talks to Angels」 といったのちの定番曲もしっかりやってくれて嬉しかったです。マニアには物足りないのかもしれませんけど、間隔が空いた場合、自分がアーティストを知る、または好きになるきっかけとなった有名な曲を徹底的にやってくれた方が嬉しいです。「Thorn In My Pride」途中のジャムとか聞き応えがありました。
ステージ右奥にいた女性コーラス隊に目と耳が行ってしまう「Remedy」で一旦締めて、アンコールにヴェルヴェット・アンダーグラウンドのカバーを一曲だけ。リッチのストラトが猛烈にかっこよかったです。
チャーリー・ワッツの死後間もないので追悼ストーンズソングをやってくれるかなあ、と期待していましたが、昨夜のポートランド公演ですでに実施済みだそうです。ちょっと残念。
ローディーの撤収作業を寂しく眺めていたんですけど、思い返すとなんだかんだでクリスの印象が強すぎました。Brotherhoodでは枯れたジャムバンドの体でやってますが、このレガシーバンドでは、本人のやりたいことかどうかは別として、ステージアクションのオーバーさを含めてフロントマンとして期待される役割を全うしていました。身体もそうですが声も変わってないですね。
(21:00-22:45)