March 2020 @ TRIPLE DOOR, Seattle, WA –
ピアニストで作曲家の上原ひろみが約3年ぶりにシアトルにやってきました。今回はニューアルバムを引っ提げてのソロコンサートだそうです。
このライブはもともとかなり前にスケジュールされていたもので、何らかの理由で1年近くも延期になっていました。
会場はシアトルの観光名所ファーマーズマーケットから徒歩数分ほどの Triple Door。
個人的に初めて訪れる会場です。Jazz Alley ほどメジャーなアーティストは出ませんが、渋めのアーティストがこっそりとライブをするシアター兼レストランです。
席は最前列。
注文したシアトルのクラフトビール George Town IPA のすぐ向こう側に YAMAHA のグランドピアノが見えますよ。
だけどコロナウィルスのせいかお客さんは満員とはいかないかな。
自分のいる最前列のカウンターにも5人ほどしか座っていません。
今回は開演前に「No photography」という明確なアナウンサがあったので、ライブ中のスマホ画像はなし。
最前列なのでこっそりと撮ることもできず。w)
HIROMIこと上原ひろみさんは、新宿ロフトのフロアを思い出させるような黒と白の大きなチェック柄のワンピースで登場。靴は黒いスニーカーで、なんかフォーマルなようでめっちゃカジュアルな着こなし。
深々とお辞儀をして、目を閉じて集中力を高めて気を落ち着かせたのち、ショーはスタート。
しかし近いわ!
家のリビングの隅に置いてあるピアノからテレビ前のソファーに匹敵する距離。
いきなり目が合った気がする!
これまで3度ほど彼女のショーは観させてもらいましたが、いずれもトリオ編成で、サイモン・フィリップスのドラムがうるさかった。w) いや、バンド編成だとどうしてもドラムやギターに目と耳が行っちゃうんですよね。
その点、今回はピアノ一台のソロ形式ですから上原さんのプレイしか耳に入ってきません。
彼女の背中側から見させてもらったんですが、ピアノ音がクリアなのはもちろんのこと、右足で床を蹴るリズムを音まで聞こえてきて感動しました。
それから上原さんって弾いている途中でめちゃめちゃ唸るんですね。「んぁ~」「うぅ~」「どぉ~」とかいう字面では表現しにくい低音の唸り声がダイレクトンに聞こえてきます。
ソロアルバムのテーマだったという「色」がテーマのコンサート。
「俳優さんに捧げる曲で、彼の映画は白黒だけど私には様々な色が見えます。」といって始まった「Mr. C.C.」。タイトルはチャーリー・チャップリンのイニシャルから。
そして同じ色繋がり?で、ビートルズの「Blackbird」。まぁ、原曲通りに弾くはずもなく、ジャジーに展開していくのがスリリング。
立ったり座ったりと忙しいわけですが、時々見せるドヤ顔が素敵。それに若干引き気味のお客さんたちもかわいい。
アンコールを含めて1時間半もの長い間、曲を弾き続けるって、楽譜もなくすべて覚えててすごいとかいうレベルじゃなくて、超絶に速いフレーズの連続なのに鍵盤を叩く指がおかしくならないもんだなと、かなりベーシックなところで感動しました。もう一つだけ素人丸出しの発言をすると、アドリブであれ何であれ似たようなフレーズがひとつもないってすげーなぁーと・・。どんだけ引き出しが多いんですかねまったく。
この後すぐにストロークスのライブが同じシアトルであるので余韻に浸っている時間はありませんでしたが、いいライブでした! これで45ドルは安い。
(19:30-21:05)